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A事件の衝撃・民放大手Fの参入「JB」へのSの参画をめぐり、3社での話し合いが進展している一方で、「JB」がO社から株式を買い取り、一挙に大株主となったAの株式(虹.4%)の帰趨をめぐり、親元のA新聞グループとの関係がこじれるという事件が起きた。
Sが参画する以前の「JB」は、この当時、日本のマスコミや行政当局にとって非常に厄介な存在であった。
Aという、日本の放送メディアを代表する1社が、いとも簡単に乗っ取られようとしていたからである。
一般に放送企業は大企業と見られているが、資本金は意外に小さい。
MとSの両氏が手にしたA株は、結果としてA新聞に手放したが、行政当局にもまきに寝耳に水という事件であった。
ただ、日本の放送関係者に来るべきものが来たことを実感きせたことはいうまでもなかろう。
放送事業の許認可や行政指導をする郵政省は、放送のデジタル化を積極的に推進しはじめばかりで、CSデジタル放送を開始する「JB」設立の事業許可を与えた直後たばかりのことであった。
いかにデジタル放送推進とはいえ、事業免許を与えたばかりの新会社が老舗の民放会社を買収しようなどとは、思いもよらなかったに違いない。
欧米においてはマスメディア企業のM&A(企業買収・合併)は日常茶飯事であるが、わが国においてはキー局のテレビ放送会社の大株主が一時的にせよ入れ代わる、それも外資系企業が株主になるなどとは考えられなかったことである。
放送事業の免許制に守られ、国際競争やM&Aにさらされてこなかった日本の放送業界の危機意識の脆弱さ、経営のマンネリ化、デジタル放送時代への対応の遅れ、といったことの象徴的な出来事がA事件であったといえよう。
この事件は、SのCSデジタル放送参入と一見関係ないように思われるが、実はそうではない。
この事件に予想以上に衝撃を受け、放送業界の将来性に切実な危機感を募らせた一人がFの社長であった。
まもなく日枝社長とM会長は、「JB」への参画で話し合いをしている。
FにとってはM会長率いる豪N・Cとは、放送番組の配信ということでは競争関係にある。
それでも日枝社長がM会長との話し合いに応じたのは、Fとしてもデジタル放送への進出を検討していた時期でもあり、「JB」とは別にSと折半出資で、映像ソフト制作・供給会社の設立を計画していたからである。
日枝社長には、「JB」にSが参画することが大いに刺激になったことはいうまでもなかろう。
D井にとっても、H社長が加わることで事業が拡大し、経営が安定すると見ていたのではなかろうか。
F社内においては、「JB」への参画は時期尚早という声も聞かれたが、結局は資本参加することを決めている。
デジタル放送の大きな特徴の一つは多チャンネル化である。
多チャンネル化が進めば、視聴者が分散することになり、既存のテレビの広告収入も減少すると見られる。
それを補うために、有料放送分野をいかに開拓するかがポイントになる。1996年5月、「JB」の株主が4社となり、資本金200億円は5%ずつのイコール・パートナー出資となった。
同時に1997年4月をメドに、国内でJCSAT・4号衛星を使用したデジタル多チャンネル衛星放送サービスを開始する準備に入った。
このW年5月時点において、CSデジタル放送のプラットフォーム会社は、先行した「パーフェクTV」「DTV」に加え、「JB」の合計3社であった。
Fとしては、Sやニューズ・コーポレーションが持つ国内外の膨大なソフト資産を、自社が進める有料放送や一般のテレビ放送(地上波)に取り込むことができる可能性を広げたことになる。
S、F、N・C、Sの4社の思惑はそれぞれ微妙に違っていたものの、ともかくもCSデジタル放送事業を立ち上げることで一致を見た。
新会社「ND放送サービス」が、「SPTV」の名称で放送を開始した。
「JB」の株主であったS、F、S、豪N・Cが参加したことにより、ソフトの供給面において、「SPTV」ははるかに強化された。
そこに今度は突然、2000年2月末に「SPTV」が「DTV」を統合することで基本合意をした。
これによって誕生して問もない3社のCSデジタル放送会社は、1社に集約されることになった。
「JB」の合併話が持ち上がり、結果的に両社は朋年5月に正式に合併をこれは「SPTV」を運営する日本デジタル放送サービスと、「DTV」を経営する米H・Eとの話し合いによってまとまったのである。
合意内容は「DTV」は2000年3月末までの放送とし、「DTV」契約者が「SPTV」へ移行を希望する場合は受信装置を無料で提供し、加入料の無償サービスを行なうなど双方で協力をする「DTV」の2000年1月末の加入者数は約判万件、約600億円の累積損失を抱え、ヒューズ・エレクトロニクスは単独での事業継続が困難と判断したことによる。
現在、「DTV」は約150チャンネル、「SPTV」は約170チャンネルを放送しており、統合することで重複していない独自チャンネルを約訓ほど移行すると見られ、最終的には200チャンネル前後が放送さることになる。
なお、「SPTV」の2000年1月末の加入者数は166万件であったが、両社の統合で加入者数は6月には200万件を超え、BS放送会社の日本衛星放送(WOWOW)の250万件に匹敵するものになっている。
「SPTV」の資本金918億5500万円のうち、I商事、S・放送メディア、S・S、Fつまり一スカノしたことになる。
.「SPTV」が2000年3月末までに、約卯億円の第三者割当増資を実施し、ヒューズなどDTV株主が約3%を出資する・ヒューズは「SPTV」に役員を派遣するなどの3点である。
「DTV」は2000年3月末、放送終了後に清算される。
まり「SPTV」が、業績不振の「DTV」を事実上、吸収合併したのである。
レビジョンの5社が持株比率9.9068%ずつのイコール筆頭株主となっており、Sとしては念願のデジタル放送事業にねらい通り進出を果たしたわけである。
しかしそのSであっても、「SPTV」の1チャンネルを使い、1999年5月からCS音楽配信を進めてきたものの、利用件数が思ったほど伸びず採算が合わないことから、2000年6月末でサービスを終了した。
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